2013年度第3回研究会:ブラック・パシフィック・ナラティブ:大戦間の地理的想像力とアフリカ系アメリカ文学

2014年1月13日(月・祝)14:00-16:00
成蹊大学10号館2階 第2中会議室

講師:竹谷悦子

講師紹介
筑波大学大学院教授。アメリカ文学。単著に The Black Pacific Narrative: Geographic Imaginings of Race and Empire between the World Wars (University Press of New England/Dartmouth College Press, forthcoming), U.S. Women Writers and the Discourses of Colonialism, 1825-1861 (University of Tennessee Press, 2003)。

本発表では、アフリカ系アメリカン文学の「ブラック・パシィフィック・ナラティブ」とそれを可能にした環太平洋をめぐる大戦間の地理的想像力を探る。私たちが現在でも見慣れている世界地図は、16世紀に航海用として考案されたメルカトル図法に依拠したものである。この伝統的な「大西洋」中心のメルカトルの世界観は、大戦間のアメリカにおいて、新たな地図投影法によって修正されていくことになる。そして、この地理的想像力の転回と連動するかのように、アメリカの外交政策は、モンロー・ドクトリン、ワシントン・システムを通して環太平洋の地域システムを構築していく。本発表では、W・E・B・デュボイスらのアフリカ系アメリカ作家たちが、米英主導の地域システムと対峙する日本の「東亜の新秩序」、「大東亜共栄圏」、「ユーラシア大陸ブロック」との間で、どのような物語を生成していったかを考察する。

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