7月30日(月)16:30-18:30 成蹊大学10号館2階第2中会議室
岡田泰平
講師紹介 成蹊大学文学部助教。フィリピン史・比米関係史。論文に「フィリピン脱植民地化における暴力の軌跡―1930年代の反フィリピン人暴動と暴力批判―」『歴史評論』2012年4月号 (No. 744) 「ナショナリズムとアメリカ植民地期のフィリピン人教員層―植民地における公共圏とその限界に着目して―」『成蹊大学文学部紀要』第47号, 2012年 「フィリピン学校ストライキ論― 1930年のマニラ高校ストライキを中心に―」『東南アジア―歴史と文化―』 第40号, 2011年など。
アメリカ外交史の概念とされている「モンロー・ドクトリン」であるが、「アメリカ外交史研究は、まさに『モンロー・ドクトリン』の表象するものを中心に回っている」(西崎文子)と言われている。アメリカ外交は、「共和制」「民主主義」「自由」と、その時代によって目的とする言説を変えながらも、多大な暴力を伴う領土拡張や対外戦争を生み出してきた。
本発表においては、「モンロー・ドクトリン」の影響の下で行われた米西戦争の結果、アメリカの支配下におかれたフィリピンの人々に焦点を当てて論じてみたい。特にアメリカ植民地となったフィリピンにおいて、彼らが受けた教育を扱う。「『モンロー・ドクトリン』の表象するもの」が植民地フィリピンの歴史・地理教育の教科書にどのように反映されたのか。また、そのような教科書に対して、どのような反論が提示されたのか。さらには、教科書の示す歴史・地理認識と、教科書に対抗する認識は、その後、どのように継承されていったのか、を論じたい。
関心をお持ちのかたのご来聴を歓迎いたします。会場整理の都合上、前日までに日比野(hibinoあっとまーくfh.seikei.ac.jp)にメールでご一報くださるようにお願いいたします。